2020年09月
2020年09月25日
赤いサングラス。
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出発前にしておかないといけないことも減ってきた。向こうへ行くために必要なことはほとんど済んで、不在の間に問題がないよう、先回りしていろんな支払いをしてしまったり、口座引き落としに変更したり、そうそう、マイナンバーカードも発行してもらった。これで来年の確定申告もネットでできるはず。といっても、元々の一年の滞在予定が、三ヶ月に短くなったので、ネットでしなくてもよくなった。ともかく旅程が短くなったことで気も楽になった。
こんなときに国外へ出る人間も稀ではあるし、折角なので旅の様子をブログにアップしたいと思っていて、スマホで手軽にできるよう外付けのキーボードを新しくして、スマホカバーまで注文してしまった!スマホカバー、意味あるの?と思われるかもしれないが、あるんです。明日にもカバーが届いたら、スマホを机の上に立てて置くことができるようになる!
今年はもうたくさんのことが変化しすぎて、ちょっとどうしていいかわからないような気持ちにもなっていて、そして何でもやってみるより仕方ないなという気分で、費用対効果も読みにくいし、ささいなところででもできるだけアクティブな選択肢を選んでいく、と決心。ともすれば沈みがちになるのを、なんとかくい止めたい!
(00:39)
2020年09月24日
ピンクの花。ピンバッジ。
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今日もルイは暗い顔で学校から帰ってきた(笑)
ちっとも笑い事ではないけれど、(笑)を付けてみた。実際、ルイのことも笑顔で出迎えたし。
「どうしたの、何があったの?」と笑みを浮かべたまま尋ねた。
「嫌なこと言われたし、された」と俯いたきりのルイ。
「どんなこと?」
「あほって言われた」
あほちゃう、とか、あほなことするな、とかいう言葉はありふれていて、どこにでも転がっている。大したことのない軽口かもしれない可能性が大でも、ルイにはひとつひとつ突き刺さる。
「あらら、でも、ルイも知ってるやん。あほっていう人があほやん」
そういうとルイは反発して顔を上げた。
「でもルイがそんなこと言ったら、ほら今あほって言った、だからルイがあほやーって言われる」
「そんなこと、相手にいうものじゃないよ。ルイがそう思っとくだけやん、あほやなぁって」
相手に自分があほではないことを認めさせようとしたって無駄だと、そこまでは言わなかったけれど、ルイはルイで何か考えるところがあったらしい。それ以上は何も言わず、今度は、
「ここを蹴られた、同じ子に」 とわき腹を指した。
「えーっ!どこどこ?痛かったねぇ。赤くなった?」 とルイのTシャツを引っ張り上げようとすると、
「痛くない、赤くなってない」
Tシャツを半ズボンにねじ込んで抵抗する。これも大したことではなかったのだ。
ルイは生まれつきの性格が、どちらかというと物事のネガティブな側面に注意が向きがちにできているようで、いつでも用心深いし繊細だ。私は、英語でいうとイージーゴーイングな方で、つまり日本語でいうと適当、何とかなるさとすぐに思い込んで、ちゃんと用心もしない。あまりにも自分とは違うので、いつでも理解が難しいのだが、八年も付き合っているとさすがに慣れる。
注意深い性格だから、私はルイにいろいろなことを任せても安心できる。小さな事でくよくよするのは、その性格の副作用みたいなものだ・・・・・・といっても私が些細なことを気にしないというわけでもない。例えば買ったばかりのコンピュータがクリックしてもすぐに反応しないことがあって、三回くらいクリックしていると腹が立つし、その機種を選んだ迂闊な自分にがっかりする・・・・・・いやでもこれはそれほど小さくないかもしれない、問題としては。一回で済むはずが三回となると、三倍時間がかかっているわけで、しかもイライラしてさらに時間を浪費するし、神経もすり減る。さらにこれが原因で買い換えないといけなくなった場合、結構な経済的損失。そしてそんなことを何度も検討しなければならくなっていて、一層、時間をくってしまうという・・・・・・(泣)
(02:00)
2020年09月23日
黒板。ピンバッジ。
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連休が終わっていよいよまた学校だ。ルイは「学校」全般ではなく、「今の学校」が嫌いなのだと実は思っている。保育園は大好きだったから、あのときのように、早く行きたくて朝そわそわするような、わくわくする学校がどこかにあると想像しているのかもしれない。だからフランスの学校に期待している様子がある。
でもパパは、フランス人だし、フランスの学校の嫌なところもよく知っている。実際にパパも学校が嫌いだったのだ。ただ「行きたくない」などと表明する選択肢があるとは思ってもみなかっただけだ、という。ルイの期待が裏切られる確率はかなり高いと、パパは予想している。
だけどそれでも、フランスの学校へ行ってみる価値はあるだろう。フランスの学校の水が合うかもしれないし、それならいつか短期ではなく長期でフランスの学校へ行ってもいいだろうし、反対に日本の学校の良さを発見できるよい機会になるかもしれないし、そしたら元の学校に戻るのが楽しみになるだろうし、もしくは、いずれにせよ学校は嫌いだとなるかもしれないし……そのときは……そのときまた考えよう!
(00:45)
2020年09月21日
熊のぬいぐるみ。ピンバッジ。
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四連休の中、ルイは楽しんでいる。あちこち遊びに行って忙しい。今晩はじぃじばぁばのうちに泊まっているし。
この休みの間に決して口にしてはいけない単語がある、とルイ曰く。それはもちろんあれだ。「学校」。
学校がどうしても嫌いだ。何でなのかよくわからない。自分自身の子ども時代を振り返って理解しようとしてみたが、学校が好きだったとまでは言えないにしても、ルイほどの苦痛でもなかった。学校では先生にあれこれ指示される。漢字を書け、計算しろ、絵の具の用意、笛を吹け、右向け左向け、などなど。確かにそれには私もうんざりした。だけどそれだけではルイのような学校アレルギーまでは起こさないだろう。
こういうとき、一般的には友達とうまくいっていないものだ。ルイもそうなのかもしれない。だが話をどんなに掘り下げて聞いても、教室の様子を行って見てみても、いじめっこはいないし仲間外れなどにもなっていない。けれども、もっと微妙な感情で、何かすごく我慢を強いられているのかもしれない。
そんなことを考えているうちに、私も小二か小三くらいまでは、毎日泣いていたことを思い出した。いじめられたりはしていない。痛かったりする時はもちろん、悲しかったり、悔しかったり、残念だったり、かわいそうだったり、思うようにならなかったり、あらゆる機会を捉えては涙した。一日も欠かさずに。
そして小四になって、新しく仲良くなった女の子があるとき、「私、小学校に入ってから、一度も学校で泣いたことない」と、泣いてばかりの私が不思議で仕方がないというように首を傾げた。そのときの衝撃!たったの一度たりとも!?そんなことが可能だなんて!多分このとき初めて、私は人を尊敬することを知った。あのときに感じた敬意は、今でも思い出すとじんわり湧き上がってくる。それ以降、私の泣く回数はみるみる減った。そういうことが可能だというお手本を身近に得たから。
ルイも、あと一、二年経ったら、一層、強くなって、しっかり学校へ行くようになるかもしれない。側でよく見ていよう。
(23:01)
2020年09月20日
フェブ。ロンドン名物の公衆電話。
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ヴァロンタンは子どもの頃、尋常ではないレベルで勉強ができなかった。母親で、ディディエの妹のクリスティンが、そのせいでどんなに心配していたか。傍目で、しかもバカンスの時たまに会うだけでも、胸が締め付けられた。中学生になっても、ヴァロンタンの宿題は全部クリスティンがしていると、甘やかしすぎではないかとよく非難されていた。特に算数ができなくて、知り合いに家庭教師を頼んでいたこともある。クリスティンは必死だった。ちゃんと進学させて、ヴァロンタンが望むような仕事に就けるよう、あちこちに電話して学校や先生を探し、ツテをつくって足を運んで・・・・・・
あまりにも成績が悪いから、本当に人生どうなっちゃうんだろうと、真っ暗闇のように遠くからは見えていた。そのヴァロンタンが、高校に入学したばかりのある日、ディディエの実家に電話をかけてきた。たまたまそのとき私は一人で留守番をしていて、そんな義務もないのになぜか受話器を取った。フランス語だって完璧には聞き取れないし、バカンスでしばらく滞在しているだけの私に用事があってかけてくる人なんていないし、留守番電話機能だってあるのに。
「アロ(もしもし)?」と私が出ると、
「アロ、ヴァロンタンです」と声が聞こえた。
「あーヴァロンタン、アヤコです。今、誰もいなくて、私しかいないんだけど」
そういうときっと、かけ直すという話になるだろうと、私はそれだけ言ってもうほとんど電話を切りかけていた。それまでヴァロンタンとそんなに話したこともないし、特に尋ねたいこともない。ところが、
「アヤコか、元気にしてる?」 と、丁寧に挨拶を返してくれたのだ。私も慌てて、こちらの方がずっと大人なのに恥ずかしいと反省しながらヴァロンタンが元気かどうか尋ねて、お互いどうしてるのか短い会話をして、それからヴァロンタンはまたかけ直すといって、電話を切った。
高校生の男子って、もっとぶっきらぼうで、投げやりなもんじゃないの?用がないんなら切るよっていう風な?しょうもない会話すんなよ、とか、話しかけんな、とか。
それまでの家族内での噂を総合すると、もう人生詰んでるみたいな話だったのに、私の中でヴァロンタン株が急速上昇した。どういうことなの、勉強はさっぱりのようだけど、めちゃくちゃいい子に育ってるんだけど?と。
それからの数年も、相変わらずクリスティンが宿題を手伝い続けていたが、結果として、ヴァロンタンはちゃんと必要な卒業証書を手にして、望むとおりの技術系の仕事に就いた。勉強がとんでもなくできなかったのは、結局、主に識字障害を抱えていたせいだったらしく、仕事をする能力には問題がなかった。問題ないどころか、優秀だった。察しがよく、性格も素直で優しい。実は賢い子だった。
シーメンス社の電話機、ピンバッジ。
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(22:07)