2015年06月13日
「ルイは、大きくなったら、◯◯◯になる!」と、しょっちゅう宣言します。
「◯◯◯」は、赤ニンジャが一番多いですが、オオカミとか犬とかの動物のこともありますし、パトカーとかヘリコプターとか乗り物になることもまれではありません。
いずれにしても、ちょっと無理な願いではあります。
一時期の「桃太郎になる!」という口癖は、なくなりました。とはいえ、桃太郎への尊敬は失っていませんよ。他にも好きなものが次から次へと出てきて、桃太郎は押しやられてしまった感じですが、今もときどき、「むかしむかしあるところに……」と絵本なしで語って聞かせて、一緒に桃太郎ごっこをしています。
でもこの間は、「おじいさんとおばあさんは、桃太郎をそれはそれは大事に育てました」というところまで話が来たら、ルイが割って入ってきて「おしまい」と付け加えてしまいました。
「えっ!鬼退治に行かなくていいの?」とルイに確かめると、
「いいの」という返事です。
でもそれでは遊びが続きません。
「桃太郎は行きたくありませんでしたが、おじいさんは、桃太郎を家から追い出し、きびだんごを持たせて、鬼退治へ行かせました。桃太郎が行きたくないなあと困っていたら、そこに犬がやってきました。桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけているのはなんですか?」とルイにたずねると、
「きびだんご!」と、いつもの通り桃太郎役のお芝居をしてくれました。
私も気を良くして、「ひとつ私にくださいな」と続けると、
「嫌!」とルイは、一人できびだんごをガツガツ全部食べてしまう真似をします。
「くれないの!あーあもう、いいよじゃあ、きびだんごなくてもね、鬼退治へ行くんでしょ。付いて行ってあげますよ」と私が犬役をあきらめずに務めると、
「はい、ひとつ」とルイは手を差し出して、気が変わったらしく、きびだんごをくれました。
「こうして犬はお供になってくれました。じゃあ、犬の次は、誰がくるの?」と今度はルイに質問してみると、
「パンダ!」
完全にふざけています。話をめちゃくちゃにしようとしています。
「パンダが来ちゃったか、そうか、桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけているのはなんですか?」と私はパンダ役です。
「きびだんご!」と、ルイはまた得意そうに返事します。
「きびだんごか……笹とか竹とかはないですか?きびだんごは、ちょっと食べられないから。笹も竹もないんですよね?残念だけど、お供できません……ではさようなら」
「さようなら」
「じゃあ、パンダの次は誰?」
「お猿さん」
となんとか軌道修正しましたが、桃太郎ごっこも普通のバージョンでは満足できなくなっていて、ルイもどんどんお兄ちゃんになっているんですね。
(00:19)